ポルシェ911 GT3 RS(992)デビュー 3134万円 過激なエクステリアの背景は?

992世代のポルシェ911にも「911 GT3 RS」がデビュー。スワンネックで支持されるルーフよりも高い大型リアウイングなどが特徴。全機能に裏付けがあり、それらを紐解いてゆく。

992世代のポルシェ911にも「911 GT3 RS」がデビュー。スワンネックで支持されるルーフよりも高い大型リアウイングなどが特徴。全機能に裏付けがあり、それらを紐解いてゆく。

新型「911 GT3 RS」 31,340,000円(税込み)

ポルシェジャパンは新型「911 GT3 RS」の予約受注を全国のポルシェ正規販売店にて8月18日(木)より開始。トランスミッションは7速PDKのみ。ハンドルは左右から選べる。税込み価格は31,340,000円。

ポルシェは、

その意図を包み隠さず明かし、最高のパフォーマンスを実現するために妥協を許さずに設計されています。

モータースポーツのテクノロジーとコンセプトを最大限に活用します。

と説明する。

とりわけ冷却システムとエアロダイナミクスシステムは、純粋な競技専用車両である911 GT3 Rと直接的に結びついているという。

高回転4.0リッター水平対向6気筒

高回転型4.0リッター自然吸気エンジンは、911 GT3と比較してさらに最適化されている。

525psへの出力増加は、主に変更されたカムプロファイルを備えた新しいカムシャフトによって得られる。シングルスロットルインテークシステムとリジッドバルブドライブは、モータースポーツから派生したものだ。

7速ポルシェドッペルクップルング(PDK)は、全体的なギア比が911 GT3よりも短くなっている。

アンダーボディのエアインテークにより、サーキットで頻繁に使用される場合にも、トランスミッションは極度の負荷に耐えることができる。

静止状態から100km/hまで3.2秒で加速。7速で296km/hの最高速度に達する。

フロントには、対向6ピストン式アルミニウム製モノブロック固定キャリパーと直径408mmのブレーキディスクが採用されている。911 GT3と比較して、ピストン径が30mmから32mmに拡大され、ディスクの厚さが34mmから36mmに増加。リアには、対向4ピストン式のユニットと直径380mmのブレーキディスクが引き続き使用されている。オプションのポルシェセラミックコンポジットブレーキ(PCCB)はフロントに410mmディスク、リアに390mmディスクが備わる。

新型911 GT3 RSには、センターロック式軽合金製鍛造ホイールが標準装備されます。フロント275/35 R20、リア335/30 R21の公道仕様スポーツタイヤが備わる。

ボディ形状から読み解く「本気度」

ダウンフォースは先代の2倍に

パフォーマンス向上の基盤となるのが、センターラジエーターコンセプト。このアイデアは、ル・マンでクラス優勝を飾った911 RSRに最初に使用された後、911 GT3 Rへ採用された。

具体的には、以前の車両に見られた3つのラジエーターレイアウトの代わりに、他の911モデルではラゲッジコンパートメントがあるノーズの中に配置された、傾斜した大型のセンターラジエーターを利用する。

これにより、両サイドにできたスペースを使用して、可変エアロダイナミクスを統合することが可能に。フロントの無段階調節式ウイングエレメントと2分割リアウイングは、他の多数の空力対策との組み合わせで、200km/h時に合計409kgのダウンフォースを提供。

つまり、新しい911 GT3 RSが発生するダウンフォースは、先代の991.2世代の2倍、現行の911 GT3の3倍に達し、285km/h時のダウンフォースは計860kgにおよぶ。

ポルシェ911 GT3 RS(992)デビュー 3134万円 過激なエクステリアの背景は?

ドラッグリダクションシステムとは

ポルシェの市販車に初めてドラッグリダクションシステム(DRS)が装備されたのもニュース。

DRSは、サーキットのストレートセクションで空気抵抗を抑えて高速を得るために、特定の作動範囲内においてスイッチを押すだけでウイングをフラットにすることができるもの。

エアブレーキ機能は、高速走行中の緊急ブレーキ時に作動する。フロントとリアのウイングエレメントが最大に設定され、空力による減速効果を生み出してブレーキングを大幅にサポートする。

ポルシェ911 GT3 RS(992)デビュー 3134万円 過激なエクステリアの背景は?

ルーフよりも高い大型リアウイング

新型911 GT3 RSの最も顕著な特徴は、スワンネックで支持され、すべての寸法が大幅に拡大されたリアウイング。

このリアウイングは、固定式メインウイングと、油圧調節式アッパーウイングエレメントで構成されている。リアウイングの上端が車両ルーフよりも高く設定されているのも、ポルシェの市販車で初めて。

さらに、911 GT3 RSのフロントエンドからフロントスポイラーが削除され、代わりに空気の流れを上下に分割するフロントスプリッターが装備されている。

また、ル・マン覇者の911 GT1のスタイルを踏襲したフロントホイール後方のインレットは、ホイールアーチの動圧を低減。インテーク後方のサイドブレードは、空気を車両サイドに流す。

リアホイールアーチには、エアフローを最適化するためのインテークとサイドブレードも装備されている。911 GT3から流用されたリアディフューザーは、わずかに変更されている。

ポルシェ911 GT3 RS(992)デビュー 3134万円 過激なエクステリアの背景は?

サスペンションも空力性能重視

サスペンションも空力性能を重視している。

新型911 GT3 RSのホイールアーチは強力な空気の流れにさらされるため、フロントのダブルウィッシュボーンサスペンションは、ティアドロップ形のプロファイルで設計されている。

ハイエンドのモータースポーツでのみ使用されているこのサスペンションリンクは、最高速度でのフロントアクスルのダウンフォースを約40kg増やす。トレッドが広いため(911 GT3+29mm)、フロントリンクもそれに対応して長くなる。

また911 GT3 RSのフロントロアアームのボールジョイントは、フロントアクスルの低位置に設置される。リアのマルチリンクサスペンションも調整されて、スプリングレートが変更さた。

2つのパッケージが用意される

クラブスポーツパッケージ(無料)

スチール製ロールオーバーバーやドライバー用6点式シートベルトが含まれる。

ヴァイザッハパッケージ(有料)

フロントリッド、ルーフ、リアウイングのパーツ、エクステリアミラーのアッパーシェルがカーボン織り目仕上げになる。

フロントとリアのスタビライザー、リアカップリングロッド、リアアクスルのシアーパネルはCFRP製で、ドライビングダイナミクスのさらなる向上に貢献する。

初めてCFRPで製造されたロールオーバーバーは、スチールバージョンと比較して約6kg軽量化されている。

モータースポーツから派生した磁気テクノロジーを採用したPDKパドルシフトも特徴。これにより、より精確な圧力ポイントと明確なクリック感によって、シフトチェンジはさらにダイナミックになる。

ヴァイザッハパッケージのオプションには、8kg軽量化されるマグネシウム鍛造ホイールも用意される。

参考動画

プロモーション動画

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