ポルシェ・マカン・ターボ(4WD/7AT)何気ない日常にポルシェというスパイスを

映画で恋仲となるヒロインと相手役が、去り際にタイミングが少しずれてお互いを振り返ることがある。貴方はクルマを離れる時、普段用途のクルマでも、そうなれていますか?

映画で恋仲となるヒロインと相手役が、去り際にタイミングが少しずれてお互いを振り返ることがある。貴方はクルマを離れる時、普段用途のクルマでも、そうなれていますか?

今のうちにエンジン付きを

新車ディーラーで現行型マカンの引き合いが再び増えてきたらしい。

後継モデルがBEVのみとなって、いよいよ日本でも正式に発売されオーダーを受け始めたことで、「今のうちにエンジン付きを」というユーザーが少なからずいらっしゃるということだろう。

ちなみに最近になってポルシェは電動モデル投入のペースを落とすと言い始めている。電動化を決めたモデルでも“エンジン付き”を残すこともあるらしい。

ポルシェ・マカン・ターボ(4WD/7AT)何気ない日常にポルシェというスパイスを

早速、次世代カイエンには両方のパワートレインが設定されるという。

とはいえ、カイエンにせよマカンにせよ、BEVモデルはフルバッテリー駆動用の専用プラットフォームを使うから、エンジンを新たに積むことは不可能だ。

ミニの最新モデルのようにナカミは現行世代をベースに改良を加え、できるだけ“長持ち”させることになるだろう。果たしてマカンもそうなるのだろうか?

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“エンジン付き”であること以外にも新型に比べて現行型が良いと思えるところがある。

それは大きさ。改めてマカンに乗ってみて思ったことは、本当に使いやすいボディサイズであるということだった。SUVとしての魅力(たとえば視線の高さ)をキープしつつ、京都の狭い街中でもスイスイ走っていける。

新型もポルシェのことだからサイズが気になることはないと思うが、物理的に大きくなっていることは確か。

マカンの大きさは、リアルにも、そしてドライバーの精神的にも、本当に程よいサイズに収まっていると感心する。

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ちゃんとポルシェしている

実をいうとマカンの大きさが良いと思える理由はボディサイズに拠るところばかりではなかった。

ドライブフィールにも起因すると思われる(だから新型もポルシェのことだから、と書いたわけだけれど)。

ドライバーと車体との適切な一体感が“ちゃんとポルシェしている”のだ。これが姉貴分のカイエンになると、クーペならまだ少しマシとはいえ、ちょっとダブッとした服を着たような感覚で運転することになる。

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マカンにはそれがない。見事にフィットしている。フロントアクスルが思い通りに動く。リアアクスルもそれに気持ちよく追従する。

このことがボディサイズと相まって、運転しやすさにつながっているのだと思う。

ブランド、デザイン、性能。三拍子揃ったからこそ、マカンはデビュー当初から人気を博し、累計で60万台以上を販売するまでに至った。

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初代マカンは前期、中期、後期と大きく分けて3種類あり、それぞれに多くのグレードが用意されている。

そして人気だった。ということは、自分の予算や好みに合った個体を見つけることも比較的易しい。否、だからこそターゲットを明確に決めて自分のこだわりで探したいところ。

取材車両は鮮やかなパイソングリーンの中期ターボだった。こういう個性的なボディカラーの個体に出会えることもまた、人気モデルであるがゆえだと言えそうだ。

ポルシェ・マカン・ターボ(4WD/7AT)何気ない日常にポルシェというスパイスを

ポルシェに乗っているのだ

「デイリーカーは、こういう感じがベターだよなぁ」

そう感心しながらドライブする。このサイズのSUVであれば全て同じような満足度を得ることができるかというと、そういうものではない。

まずはポルシェに乗っているのだという自負がある。クレストのついたステアリングホイールを握り、スポーティなメーター周りを眺めながらのドライブは、“ポルシェ感”を大いに盛り上げる。

ポルシェ・マカン・ターボ(4WD/7AT)何気ない日常にポルシェというスパイスを

もちろん、前述したようにその走りがまた素直で一体感あるものだから、名前に裏切られたなどと思うこともない。

そのうえ、探してようやく見つけた好みのカラーコーディネーション、しかも個性的、となれば、満足するなという方が無理な話だろう。

個人的にデイリーカーとしての良し悪しを最終的に判断する方法がある。それは、クルマから降りてロックし、少し離れてからまた振り返ることがあるかどうか、だ。

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派手なクルマでなくても振り返りたくなることはあるもので、それは大抵、普段使いの満足度と見た目の雰囲気が高いレベルで融合している時だ。

要するに実用車としてよくできているから、「いいクルマだよねぇ」という目で二度見したくなる。そういうクルマはさほど多くはない。

こだわりの中古車を探す。ボディカラーとインテリアの組み合わせにこだわって探してみるのも大いにあり。リセールバリューに縛られてばかりいないで、本当に好きな色のクルマに乗ってみてはどうだろう。

貴方は何色が好きですか?

SPEC

ポルシェ・マカン・ターボ

年式
2020年式
全長
4684mm
全幅
1926mm
全高
1624mm
ホイールベース
2807mm
車重
1945kg
パワートレイン
2.9リッターV型6気筒+ターボ
トランスミッション
7速AT
エンジン最高出力
440ps/5700~6600rpm
エンジン最大トルク
550Nm/1800~5600rpm
タイヤ(前)
265/40R21
タイヤ(後)
295/35R21
  • 西川淳 Nishikawa Jun

    マッチボックスを握りしめた4歳の時にボクの人生は決まったようなものだ。以来、ミニカー、プラモ、ラジコン、スーパーカーブームを経て実車へと至った。とはいえ「車いのち」じゃない。車好きならボクより凄い人がいっぱいいらっしゃる。ボクはそんな車好きが好きなのだ。だから特定のモデルについて書くときには、新車だろうが中古車だろうが、車好きの目線をできるだけ大事にしたい。

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