頭の片隅にずっとあった真っ赤なBMW Z3。平井さんは購入に至るまでのRESENSE(レセンス)の「寄り添い」に、このクルマを「高い、安い」の基準でなく選んだ。
まったく同じ仕様の個体
51歳の平井さんが、現有するBMW Z3とまったく同じ仕様の個体に初めて出会ったのは21歳のときだった。
先輩が妻に内緒で買った真っ赤なBMW Z3を、半年間あずかったのだ。
21歳の「男子」が乗るBMW Z3は、そこらじゅうで注目された。小さな1.9リッター・エンジンを小気味よく走らせる快感も、真っ赤なクルマで注目される快感も、すべてが青春の思い出となった。
先輩のクルマだったはずなのに、わかっていた結末が来るのが心から嫌になった。クルマを返却した時、涙が出るほど引きずった。
それからちょうど30年。いろいろなクルマやバイクを所有したけれど、頭の片隅にはずっと、真っ赤なBMW Z3があった。
51歳になって、心境の変化があった。複数台持っていたバイクやクルマたちを手放したいなと思った。
選び抜いたものを、自分がこの世を去るその時まで、最大限にケアし、愛しぬきたいと思った。ごく自然な感情だった。
残りの人生を過ごすクルマは、何がいいのだろう? 気付いたときには、自然とBMW Z3のことを調べていた。
候補車は2台だった
真っ赤な外装、ベージュの内装のBMW Z3を見つけると、自然と手が止まった。候補車は2台だった。そのうちの1台が、RESENSE(レセンス)にあった。
「電話をしてみたら、不安に寄り添ってくれました」と平井さんはいう。
「傷の確認をしたら、小さな小さなキズまで写真を何十枚も送ってくれました」
25年間、接客業を営んできた平井さんは、「このお店なら、一生のクルマのパートナーになってくれそうだ」と思った。
そこから話はトントン拍子だった。
「正直に申し上げますと、もう1台のほうが、金額面でも条件は良かったです。それでもレセンスに決めました」
赤いボディ、ベージュの内装。日本にほとんど同等のコンディションの個体はないだろう。
暑い夏を経て、ようやく幌が開けられるようになったこの季節が、待ち遠しかったと、少年のように平井さんは笑う。
「実はまだ、妻に言っていなくて…」
何の因果か、奥様に秘密にしていた先輩のストーリーと重なるのもまた面白い。
仕事以外にも…
仕事以外にも、45歳から始めたバンド活動で、初日から190人を集めた。CDも複数枚リリースしている。
――いったい、このエネルギーはどこから?
「本気でやれば、かならず実ると信じています。こんな時代でもです」
「忘れちゃいけないのは、『どんな人にも同じ風が吹いている』ということです」
今日も、そしてこれからも永遠に、平井さんは風を感じながら、Z3と時を過ごす。
※この記事は、RESENSEとBoys and Wheels TVの共同連携企画です。