ロールス・ロイス「アルカディア・ドロップテイル」発表。組立には5カ月、ウッド・セクションは8000時間をかけて制作のコーチビルド・コミッション・モデル。
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3作目のコーチビルド「ドロップテイル」
ロールス・ロイスは3作目のコーチビルド・コミッションとなる「アルカディア・ドロップテイル」を発表した。
アルカディア・ドロップテイルは、型破りなアプローチを穏やかに具現化し、純粋なフォルムと天然素材を謳歌する一方で、顧客の感性を大胆に表現したという。
建築とデザインをこよなく愛する顧客が依頼した今回のドロップテイルには、その感性とラグジュアリーの個人的基準が表され、複雑さの中から根源的な本質を明らかにすることに対する確固たる信念に基づくものであり、純粋さと絶妙な抑制によって表現されている。
アルカディアの由来
本コーチビルド・コミッションは、古代ギリシャ神話の中で、非常に美しい自然と完璧な調和を持つ「地上の楽園」として描かれた伝説の世界、アルカディアにちなんで名づけられた。
顧客がアルカディア・ドロップテイルに思い描いたのは、その名の由来となったサンクチュアリーのように、素材の深みと触感を特長とし、慌ただしいビジネスライフからの隠れ家のような、無駄を削ぎ落とした平穏な空間であるそうだ。
静穏というテーマの本質に迫るため、コーチビルドのデザイナーは、顧客のお気に入りの世界各地のデザイン、彫刻、建築を探求し、その中には、シンガポール、インドネシア、ベトナムにみられるモダニズムのトロピカル・スカイ・ガーデンの緻密さと豊かさ、そして有機的なフォルムと物質的な誠実さが称賛される英国の「バイオミメティック(生物模倣)」建築も含まれたと述べた。
エクステリアとインテリア
エクステリアはドロップテイルへのオマージュに重きを置き、一見すると無地に見える一方で、自然光の下でよく眺めると不思議な風合いになるような、時代を超越したホワイトを生み出すボディのメイン・カラーには、アルミニウムとガラス粒子を混ぜたソリッド・ホワイトが採用された。
このカラーは、光がコーチワークに当たると発泡するようなきらめきを放つだけでなく、よく見ると、ペイントに果てしない深みがあるような錯覚を生み出す。
インテリアはウッドを中心に据えたデザインで、顧客の美意識を深く映し出したものであり、世界各地の住居やビジネスの空間のためにつくり上げてきたそのスタイルが反映されているという。
またレザーは、顧客の名前にちなんで名づけられた種類の完全にビスポークの色合いで仕上げられており、メイン・カラーはエクステリアの塗装のテーマを継承するビスポーク・ホワイト、コントラスト・カラーは厳選された木材を完璧に引き立てるために開発されたビスポーク・タンだとロールス・ロイスより説明されている。