フェラーリ328GTSに試乗して以降、様々な方面から、フェラーリ308に乗れば、もっとお互いの良さがわかると言われた。試乗を経て、それは本当だとわかった。
308クアトロバルボーレ
年々厳しくなる排ガス規制に対応するため、1980年には燃料供給装置がこれまでのキャブレター式からインジェクション式(Kジェトロニック)になり、「308GTBi」を名乗るモデルが登場した。パワーダウンを強いられることになった。
その「救済策」として、1気筒あたり4つのバルブを備えるエンジンが最高の解決策であるとの結論に行き着いたという。
4バルブ=クアトロバルボーレ。ヨーロッパ向けは243ps/7000rpm、アメリカ向けは238ps/6800rpmを発揮。最終減速比/ギア比は4バルブに合わせて変更になった。
Kジェトロニックに組み合わされるのはマレリのMED 803Aデシプレックス電子制御式で、各バンク専用の点火コイル/ディストリビューター/イグニッションモジュールを備えている。
濃密なのに爽快。
よく328の本当の旨味を知りたければ、308まで遡れ、という声を聞く。308に乗って初めて、その真意がわかった。一度ハンドルを握れば、現代まで通じるフェラーリらしさを知る手がかりにもなるはずだ。
SPEC
フェラーリ308GTBクアトロバルボーレ
- 年式
- 1985年
- 全長
- 4230mm
- 全幅
- 1720mm
- 全高
- 1120mm
- ホイールベース
- 2340mm
- トレッド(前)
- 1460mm
- トレッド(後)
- 1460mm
- 車重
- 1275 kg(乾燥重量)
- パワートレイン
- 3リッターV型8気筒
- トランスミッション
- 5速MT
- エンジン最高出力
- 243ps/7000rpm
- エンジン最大トルク
- 260Nm/5000rpm
- サスペンション(前)
- ダブルウィッシュボーン
- サスペンション(後)
- ダブルウィッシュボーン
- タイヤ(前)
- 205/55 VR16
- タイヤ(後)
- 225/50 VR16