F1テクノロジーを採用した駆動システム

GT 63 S Eパフォーマンスの駆動システムは、4L V8ツインターボエンジンに交流同期モーターとAMG自社開発の高性能バッテリーに加え、AMGのパフォーマンス志向連続トルク可変配分四輪駆動システムの4マティック+を組み合わせたものだ。

4L V8ツインターボエンジンと電気モーターの組み合わせにより、システム出力843ps/最大システムトルク1400Nm以上を発生し、0-100km/h加速を2.9秒、200km/hまで10秒未満、最高速度は315km/hに達すると発表された。

AMGハイパフォーマンスバッテリー

開発は、メルセデスAMGペトロナスF1チームが使用しているF1ハイブリッドレーシングマシンの先進テクノロジーを元に進められ、高出力を頻繁に繰り返し発生できる能力と軽量構造を兼ね備えたことで、クルマの総合的なハイパフォーマンス化に貢献した。

加えて充電速度が速いことと出力密度が高いことも特長で、これによって、アップダウンのあるワインディングを高速走行する場面などでは、上りでただちに100％のパワーを引き出すことができる一方、下りでは強力な回生ブレーキが実現できる。

このバッテリーは航続距離を最大化することより、速やかな放電と充電を行えることを重点に設計されたものだが、EV走行可能距離も12kmと実用的なレベルを確保しており、例えば深夜や早朝の住宅地などでも有効であるという。

気になるエンジン単体と、その他装備は？

エンジン単体で見れば、搭載するツインスクロールターボチャージャーを2つ搭載したAMG 4L V8ツインターボエンジンは、最高出力639ps/最大トルク900N・mのパワーユニットだ。加えて最大トルクを2500~4500rpmと広い回転域で発生する。

こうした特性により、発進時点から320N・mの最大トルクを発生する電気モーターとの相性抜群なエンジンとなっているという。高出力の実現にも寄与する2個のツインスクロールターボチャージャーは、低回転域での最適なレスポンスと、中高回転域での力強いパワーの伸びを両立させると付け加えた。

その他にも7つのモードを選択可能なAMGダイナミックセレクトや4段階選択式の回生ブレーキ、AMGライド・コントロール+ エアサスペンションに加え、リア・アクスルステアリングやAMGカーボンセラミックブレーキも標準装備し、ドライバー好みの設定が様々選択可能な仕様に仕立てられている。

メルセデスAMG GT 63 S Eパフォーマンス