ポルシェ・パナメーラ・ターボ・スポーツツーリスモは、実用面、速さ、走りの楽しさにおいて最高。向かうところ敵なしという言葉がぴったりな最強グレードだ。
INDEX
まずターボである点。4リッターV型8気筒ツインターボは、550psと770Nmを湧出する。これはパナメーラのラインナップで最大の数値を誇る。駆動方式は4WD。8速ATを介す。
0-100km/h加速のタイムが3.8秒、最高速が304km/hというのがこの車の公表値だ。
リアシートは標準で3人がけ。オプションで左右独立シートになる。とはいえ3人がけタイプの中央席足元には、太いトンネルが走ることになるため、結局は2人がけが好ましい。
後部座席は身長172cmの筆者にとって狭いと感じることはなかった。ウインドウの上下長がコンパクトであるため、体がボディに包まれている感が大きい。私は落ち着く。
遮音も効いている。ショーファードリブンの使用を検討する向きにとっても、嫌になることはなさそうだ(Sクラスには負ける)。
ハンドルが一回り太くなり、車体に隅々まで補強が入り、シートのクッションが詰まったようなガチッと感。耳に伝わってくる野太いサウンドもこれを助長させる。もう1つが、リア:315/35 ZR20のタイヤだろう。
ポルシェに乗っていつも驚くのが、同じモデルでもグレードによって、車体全体が全く別のキャラクターになる多彩さである。
結果、速い。アクセルを深く踏み込むと、野蛮なV8サウンドを響き渡らせながら、どこまでも前に突き進んでゆく。正直、切符を切られない速度域を保つ方が難しい。
ステアリングに遊びがなく、車が今、どのように傾き、どのタイヤにトルクが流れ込んでいるか、一挙手一投足が自分の体感として解像度高く感じられる。
パナメーラはもともと、かなりスポーツーカーよりのエグゼクティブカーであるけれど、特にパナメーラ・ターボは、パワーと安定感をかけ合わせたまさに最強カー、なのだ。
SPEC
ポルシェ・パナメーラ・ターボ・スポーツツーリスモ
- 年式
- 2019年
- 全長
- 5050mm
- 全幅
- 1940mm
- 全高
- 1430mm
- ホイールベース
- 2950mm
- トレッド(前)
- 1660mm
- トレッド(後)
- 1640mm
- 車重
- 2140kg
- パワートレイン
- 4リッターV型8気筒ツインターボ
- エンジン最高出力
- 550ps/5750-6000rpm
- エンジン最大トルク
- 770Nm/1960-4500rpm
- サスペンション(前)
- ダブルウィッシュボーン
- サスペンション(後)
- マルチリンク
- タイヤ(前)
- 275/40 ZR20
- タイヤ(後)
- 315/35 ZR20