RESENSE(レセンス)にとって、欠かせないパートナー。「スーパープライベート」を営む谷山文敏さんをインタビュー。好きだからこそ没頭し、信頼を積み重ねてきた。
好きだからこそ、ここまで来た
RESENSE(レセンス)にとって、欠かせないパートナーは山ほど。メカニックの谷山文敏(たにやまふみとし)さんも、そのひとりだ。
20代の頃、日産スカイラインなど、日本車のドラッグレースに心酔していた谷山さん。専門学校の在学中に整備士の資格を取った。その後、自動車ディーラーを経て、中古車ショップで修行する。
「いい時代でしたからね。日本車のいわゆるチューニングカーを自由に触らせてもらえました。」
数年を経て、師匠のお墨付きもあり、メカニックとして独立した。開業資金まで用立ててくれた。
「スーパープライベート」の屋号を掲げてから25年、「来る者拒まず」の精神でコツコツとメカニックの道を究める。手先が器用だったこと、そして機械いじりが元来好きだったことから、多くの方面からの信頼を積み上げてきた。
「整備マニュアル通りにいかないことが多いです。『蓄積』なんていうと格好良すぎますが…自分の手を動かして、目で確かめ、経験に当てはめる。日々、その繰り返しです。とくべつな魔法はありません。」
谷山さんは、むやみに新品パーツに交換せず、使える素材は活かして問題解決することでも知られている。
ーー谷山さんのお仕事のなかで、一番嬉しい瞬間はどんな時ですか?
「あまりに複雑な機構の車が増えて来ました。コンピューターや電装パーツまで絡んでくると、トラブルの原因は無数です。」
「それを、ひとつずつ紐解きます。複雑に絡み合った糸をほぐしていくように」
「すると、これかな?という原因がうっすらと浮かび上がってきます。」
「予想が当たり、車が元通りの元気な姿になった瞬間。これほど嬉しいことは無いですね。」
「手を動かして、完成する。それをお客様が喜んで下さる。この循環に感謝しかありませんね。恵まれています。」とも。
ーー谷山さんの夢は?
「ささやかではありますが、ガレージの奥で眠っているストリート最速を目指したトヨタ・スープラの復活です。しばらく先になりそうですが(笑)」
車に人生を捧げる谷山さんの目は澄み渡っている。