ポルシェ・パナメーラGTSは凄い。実用性、快適性、快感、操る愉しさまで備わっている。ビジネスエクスプレスとして、これ以上の車は思い浮かばない。
レセンス編集部は既にパナメーラ4を試乗済みで、その際、サルーンの形をしたスポーツカーと結論づけている。スポーツカーの定義を考え直す素晴らしい機会にもなった。
ではGTSは? 早速走り出そう。
ターボエンジンとは思えないほどのリニアリティも影響しているだろう。低いところから高いところまで、どんな回転域でも鋭い切れ味を発揮する。4S Eハイブリッドの異なるパワートレインの見事な調和、ターボSの圧倒的パンチ力と比すると、GTSはガソリンエンジンの成熟を感じる。端的に爽快だ。
爽快感には乗り心地も影響しているようだ。タイヤを見ると20インチ。小さなボディの上下動の割に、かくも凹凸をいなすエアサスペンションがあるのかと感心する。
また、フルタイム4WDはタイヤ回転数や前後左右方向の加速度、舵角をモニタリングし、最適な駆動力を前後軸に分ける。華麗な旋回性能はこのお陰でもあるだろう。
飛ばしても快適。ゆったり流しても快適。なんでも叶えてくれる車選手権がこの世にあれば圧勝だ。
4枚ドアの空車重量2000kg超えの車がここまで走ってくれると、さすがにサーキットに行きたくなる…。と思わせるあたり、ポルシェの、それもGTSのバッジを掲げた4ドアサルーンなのだと感心するのであった。
SPEC
ポルシェ・パナメーラGTS
- 年式
- 2019年
- 全長
- 5053mm
- 全幅
- 1937mm
- 全高
- 1417mm
- ホイールベース
- 2950mm
- トレッド(前)
- 1660mm
- トレッド(後)
- 1640mm
- 車重
- 2040kg
- パワートレイン
- 4リッターV型8気筒ターボ
- トランスミッション
- 8速AT
- エンジン最高出力
- 460ps/6000-6500rpm
- エンジン最大トルク
- 620Nm/1800-4500rpm
- サスペンション(前)
- ダブルウィッシュボーン
- サスペンション(後)
- マルチリンク
- タイヤ(前)
- 275/40 ZR20
- タイヤ(後)
- 315/35 ZR20