メルセデス・ベンツC63 AMGクーペに乗って思う。くよくよと迷うならば思い切って乗って楽しんでみるがいい。これだけだ。
発表当時の資料では加速について「ジェットコースター!?」と表現される。実際はいかに。
ステアリング脇のスタートボタンを押すと、瞬時にフォンッ!と乾いた音が響き目覚める。
ドライブにレバーを引き下げてアクセルをゆっくりと踏むと、グググっと力強く加速する。車体後方からゴロゴロゴロとV8の音。地響きのごとき音があたりに反響している。
「ジェットコースター」と表現された加速については、ターボや電化も体験した今となっては、現代AMGのターボユニットの方がそれらしい。いっぽうで盛り上がりのドラマは、この自然吸気の圧勝。「気付いたらとんでもない速度」というよりも「パワーの湧き上がりから頂点までの過程を隅々まで味わえる」性格だ。
音質に関しても、現代AMGのバリバリ感とは異なり、音がゆったりと広がりと厚みがある。
乗り心地はAMGの例に漏れず良好。相応の突き上げはあるものの、そもそも車体剛性が高く、だから角が立ちづらい。収まりがいい。
AMG、だとか、6.2リッター、といった数字のイメージに対してまろやかさがあるのもこの時代のC63の特徴だと思う。今となっては変速スピードもリラックスしている。
日常から超高速域まで適応できるバンドの広さもAMGらしい特長といえる。
SPEC
メルセデス・ベンツC63 AMGクーペ・パフォーマンスパッケージ
- 年式
- 2011年
- 全長
- 4710mm
- 全幅
- 1795mm
- 全高
- 1390mm
- ホイールベース
- 2765mm
- トレッド(前)
- 1570mm
- トレッド(後)
- 1530mm
- 車重
- 1800kg
- パワートレイン
- 6.2リッターV型8気筒
- トランスミッション
- 7速AT
- エンジン最高出力
- 487ps/6800rpm
- エンジン最大トルク
- 600Nm/5000rpm
- サスペンション(前)
- 3リンク
- サスペンション(後)
- マルチリンク
- タイヤ(前)
- 235/35 R19
- タイヤ(後)
- 255/30 R19