メルセデス・ベンツC63 AMGクーペ・パフォーマンスパッケージ(FR/7AT)迷っているのなら

メルセデス・ベンツC63 AMGクーペ・パフォーマンスパッケージ(FR/7AT)迷っているのなら

メルセデス・ベンツC63 AMGクーペに乗って思う。くよくよと迷うならば思い切って乗って楽しんでみるがいい。これだけだ。

ジェットコースター

このページの主役は、204型と呼ばれる、3代目メルセデス・ベンツCクラスをベースにしたAMGモデル「C63」。そのなかでもクーペモデルで、いわゆる後期型にあたる。

AMGとは社名であって、1967年、ドイツ・ブルクシュタルに誕生。創業者2人の名前、ハンス・ヴェルナー・アウフレヒトとエバハルト・メルヒャーとアウフレヒトの生地グロスアスバッハの頭文字からとっている。

何よりアイコニックなのはエンジンで、C63 AMGは独自開発の6.2リッターV8自然吸気エンジンを鼻先に押し込む。487ps/600Nmを湧出し、7速ATを介して後輪だけに伝わる。

もう1つ、クーペに関する補足。セダンを短くしただけではなくルーフ位置が40mm低くなっている。座面高も下がり、座面と天井の距離がセダン+30mmとなっている。

またテスト車に組み合わされる「パフォーマンスパッケージ」について。外装は+1インチの19インチホイールやリアスポイラー(カーボン)が識別点。内装はステアリング形状/素材が異なる。制動力が高まり、LSDが組み合わされる。標準車より走り志向になっている。新車時は125万円のオプションであった。

発表当時の資料では加速について「ジェットコースター!?」と表現される。実際はいかに。

大排気量、バンザイ

デジーノと呼ばれる豪華内装版であるこのテスト車は、赤と黒のコントラストで派手。現在のCクラスに比べると直線基調の構成が多い。

ステアリング脇のスタートボタンを押すと、瞬時にフォンッ!と乾いた音が響き目覚める。

ドライブにレバーを引き下げてアクセルをゆっくりと踏むと、グググっと力強く加速する。車体後方からゴロゴロゴロとV8の音。地響きのごとき音があたりに反響している。

「ジェットコースター」と表現された加速については、ターボや電化も体験した今となっては、現代AMGのターボユニットの方がそれらしい。いっぽうで盛り上がりのドラマは、この自然吸気の圧勝。「気付いたらとんでもない速度」というよりも「パワーの湧き上がりから頂点までの過程を隅々まで味わえる」性格だ。

音質に関しても、現代AMGのバリバリ感とは異なり、音がゆったりと広がりと厚みがある。

乗り心地はAMGの例に漏れず良好。相応の突き上げはあるものの、そもそも車体剛性が高く、だから角が立ちづらい。収まりがいい。

AMG、だとか、6.2リッター、といった数字のイメージに対してまろやかさがあるのもこの時代のC63の特徴だと思う。今となっては変速スピードもリラックスしている。

日常から超高速域まで適応できるバンドの広さもAMGらしい特長といえる。

もし迷っているなら

この記事を真っ先にタップした人の中には、比較的手頃な価格になった今、購入をマジメに考えている人もいるのではないか。

そしてその中の多くが、この6.2リッター自然吸気ユニットに憧れをもち、しかしネンピやゼーキンに恐れをなしていることが想像できる。

しかしよく考えると、手頃になったとはいえ、ここ最近ほとんど価格の変化が見られない。であれば、恐れをなして、その10年後に「やっぱり一度は買っておくべきだったかな」なんて後悔するより、今乗っておくのも手。つらくなれば手放して、それでも大損はない!?

遠くない未来、電動車に切り替わる(可能性が極めて高い)転換期だからこそ、一度体験する価値があると思う。

将来、伝説の500Eみたいになる!と断言は出来ないけれど、少なくとも語り種になる車であることは間違いない。

悩んでいる暇がもったいない。

自分にもそう言い聞かせたい。

SPEC

メルセデス・ベンツC63 AMGクーペ・パフォーマンスパッケージ

年式
2011年
全長
4710mm
全幅
1795mm
全高
1390mm
ホイールベース
2765mm
トレッド(前)
1570mm
トレッド(後)
1530mm
車重
1800kg
パワートレイン
6.2リッターV型8気筒
トランスミッション
7速AT
エンジン最高出力
487ps/6800rpm
エンジン最大トルク
600Nm/5000rpm
サスペンション(前)
3リンク
サスペンション(後)
マルチリンク
タイヤ(前)
235/35 R19
タイヤ(後)
255/30 R19
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価格
店舗
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