もし仮に次期「007」の脚本ができるならば、オンロードで敵のスポーツカーに追いつき、オフロードで奴らを置き去りにするようなシーンを描いてみたい願望に駆られる。
同世代のB5より大きな排気量で、同世代のM5より快適なトランスミッションで。乱暴な足し引きをすれば、5シリーズに大排気量+オートマの安楽さを求めるならこれ一択。
外観シルバーに黒の樹脂塗装パーツ。一見で国産車なら使い倒される没個性的な「シャヨウシャ」の雰囲気になってしまうのに、206がオシャレに映るのは偏見なのだろうか。
あまり馴染みがないものに出会った時どう思考するか。「自分探しの旅」と若者が世界中を旅するように、多様性に触れ何かを探すということは自身の立ち位置を求めるのだ。
当時どれだけの人がこのSLに憧れたことだろう。オープンで街に山に繰り出すには必然的に重いハードトップ置き場が必要で、それもある種の購入資格みたいなものであった。
女子で一卵性双生児の恋愛観を耳にしたことがある。曰く、姉あるいは妹と「ここが違う」、そしてそこを好きになって欲しいと。
台数が少ない故に超有名なクルマと、少ない故にあまり知られないクルマが存在する。〇〇の派生モデルだよね、と言いたくなる気持ちを抑え、一度体験してみようではないか。
トヨタの「オリジン」に対する当時の思いを知り、ふと思う。ひょっとして方向性こそ違えども、量産価格に対して採算が合わなかったLFAのようなクルマなのではないかと。
登場がM3カブリオレでないことを残念に思いつつも、335iとB3の関連性を知れば、こちらの方が面白い比較と成り得るのだ。
映画で恋仲となるヒロインと相手役が、去り際にタイミングが少しずれてお互いを振り返ることがある。貴方はクルマを離れる時、普段用途のクルマでも、そうなれていますか?
ある人はマセラティらしさを思い、ある人はフェラーリを想起。ある人は「とある映画」を連想し、またある人はピニンファリーナを讃える。5代目、伝説が詰まりすぎている。
「畏敬の念を抱く」という言葉がふさわしいのかもしれない。この12気筒の快楽さを一度覚えてしまえば、その走り出す前の独特なスターターの音だけで脳汁が垂れるのだ。